本章の本節までは企業をとりまくステークホルダー達の変化についてご紹介いたしました。
企業の周りのステークホルダー達は、脱炭素化に向けて変化しています。
企業も環境変化に対応すべく脱炭素化を行わざるを得ない状況になりつつあることはご理解いただけるのではないでしょうか。
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DX→DX+GX
少し脱線して、新聞やニュースで目にすることも多い”Digital transformation(DX)“について考えてみましょう。
DXの背景には、テクノロジーの進歩と、それに伴う企業のステークホルダーのニーズの変化がありました。
社会がデジタル化する中で企業が社会のニーズを捉えて存続するためには、既存ビジネスの延長線上として業務を単にIT化するのではなく、ビジネスモデルや経営自体もデジタル社会を前提としたものに変革していくことが必要となりました。
同じようなことが脱炭素の文脈においてもいうことが出来ます。
地球環境の変化によって、ステークホルダー達のニーズは現在進行系で変わっています。
そんな中、企業はただ要請に従って情報を開示したり、単に脱炭素化を進めるだけでなく、 脱炭素社会を前提にビジネスモデルや経営自体を変えていく、Green Transformation(GX)が今後は必要になってくるでしょう。
脱炭素社会を経営の前提においた上で、社会の変化を成長の機会としてポジティブに捉え、いち早く改革を進めることは企業の競争力強化につながるでしょう。
これからはDXからDX+GXの時代になってくるのです。
政府が推し進めるGXリーグ
政府も脱炭素にまつわる取組を経済成長の機会として捉え、GXを促進すべく動いています。
2022年2月、経済産業省は「GXリーグ基本構想」を公表しました。
GXとは「グリーントランスフォーメーション」の略。
2050年カーボンニュートラルや、2030年の国としての温室効果ガス排出削減目標の達成に向けた取組を経済の成長の機会と捉え、
経済産業省 GX League公式サイト
排出削減と産業競争力の向上の実現に向けて、経済社会システム全体の変革がGXです。
こういった追い風にしっかりと利用していくことも攻めのGXを行う上では大事なのではないでしょうか。
本章では、まず企業を取り巻くステークホルダー達の変化をご紹介した上で、企業の脱炭素化とGXの必要性に触れました。
次章ではより具体的に企業の脱炭素化についてご紹介いたします。