前節では企業の脱炭素化の取組の種類についてご説明いたしました。
本節ではイメージしやすいように具体的にいくつかの企業における事例をご紹介します。
エネルギー自体の変換
ヤマトHDはEVを2030年までに2万台導入し、全国810拠点に太陽光発電設備を設置することを発表しています。(参考)
エネルギーの使い方の変換
節電
セブン&アイグループは2020年のCO2排出量を2018年比で12%削減
セブン&アイグループでは照明のlED化等の省エネを進めることで、CO2排出の約9割を占める電力分野からの排出量を削減しています。
蓄電
村田製作所が大規模蓄電池システムを工場導入
電子部品の製造を行う村田製作所では、子会社の金津村田製作所に太陽光パネルと共に蓄電システムを導入することで、
太陽光発電と蓄電池を組み合わせて消費電力の13%を自家発電で賄うという計画を立てています。
環境価値調達
商船三井が海上輸送時のCO2排出量をカーボンクレジットを利用して相殺
年間およそ1000万t(参考)の温室効果ガスをスコープ1で排出する日本の大手海運会社商船三井は、
2022年6月に、パイロットケースとしてカーボンオフセット航海を行いました。
【使ったカーボンクレジット】
- ガーナの荒廃森林の再生プロジェクトによる炭素吸収・除去:2,082 tCO2e
- 中国での植林プロジェクトによる炭素吸収・除去:2,081 tCO2e
【相殺させたCO2排出】
- 日本からイギリスに自動車を海上輸送する際のCO2排出
- 全過程で約4000tCO2
サービス提供による社会貢献
社会への排出削減貢献を中期戦略に盛り込むPanasonic
Panasonicは2022年7月に行われた第二回サステナビリティ説明会において、
2050年までに自社CO2排出量を1.1トン削減することに加え、社会に対するCO2排出量を計2億トン(既存事業で1億トン、新技術・新事業により1億トン)削減することを目指すと発表した。
CO2吸収
王子HDは森林吸収も含めたGHGガス排出ゼロを目標に掲げる
19万haと民間最大規模の森林を抱える王子HDは、海外植林と森林保全を進めることで排出量を上回る量のCO2を吸収・固定することを目指しています。